鉄レースの機能美

Paris

トラス構造とは

1889年フランス革命100周年を記念して建設されたエッフェル塔は、パリ万国博覧会の目玉として世界の人々を驚かせた。
1887年1月26日の着工から、わずか2年2カ月と5日で完成したエッフェル塔の設計はギュスターヴ・エッフェル (Gustave Eiffel)。素材は建設当時に安価かつ加工しやすい錬鉄が約7,300トン使用されており、18,000個からなるパーツが、250万個のリベット(鋲)で強固に連結されてる。錬鉄を三角形に組み合わせて強度を出す「トラス構造」を全面的に採用し、自重を分散しつつ、風を通すことで巨大な風圧を逃がす「しなる」柔軟な構造を実現したのである。

全景

全景

鉄レースの優美な曲線

塔の独特な曲線は強風に耐えるための計算に基づいており、格子状の構造(トラス構造)によって風を逃がし、地上300mでも揺れを最小限(記録上最大風速でもわずか12cm程度)に抑えることに成功している。「トラス構造」の力学的合理性と、風を透かす軽やかなデザインの融合は、「鉄のレース」と称され、繊細なシルエットを生み出している。

建物正面

 錬鉄のトラス構造 

ポーチ装飾

 近景 

革新的なエレベーター

エッフェル塔の支柱に沿って斜めに上っていくユニークな設計は、当時の技術では非常に困難とされていたが、アメリカのオーチス社などにより実現し、大量の観光客を上層階へ運ぶことが可能となり当時大きな話題となった。
1900年にエッフェル塔を訪れた夏目漱石は、家族宛の書簡に塔のエレベーターについて「名高キ『エフエル塔』ノ上ニ登リテ四方ヲ見渡シ申候」と書き送っている。今も昔も、パリのエッフェル塔は世界中の観光客の心を鷲掴みにしている。

全景

全景