聖帝八棟造りの未来

函館市

開拓の神

1445年(文安7年)創建の函館八幡宮は、亀田郡の領守河野加賀守政通が館を築いた折、鎮守として敷地の東南の隅に八幡神をお祀りしたのがはじまりと伝えられている。函館の地名は、河野政通の建てた館が箱型だったため、函館となったといわれる。1880年(明治13)に谷地頭に奉遷され、北海道の開拓に関わる神として道民からの崇敬を集め現在に至っている。

社殿正面

社殿正面

聖帝八棟造りの社殿

聖帝八棟造りの社殿

聖帝八棟造り

現在の社殿は1915年(大正4)に竣成され、聖帝造に八棟造(やつむねづくり)を併せた珍しい神社建築である。北海道神社庁のサイトによると「聖帝八棟造りで、聖帝造(日吉造とも言い藤原時代の寝殿造の後方の一間を切り取った形)に、八棟造(権現造とも言い本殿と拝殿とを中殿で連結)を併せた実に森厳にして優雅」と評されている。「大正式八幡造」の代表作とされ、森厳との言葉通り鬱蒼とした木々を背景に浮かび上がる美しい聖帝八棟造りの社殿には厳かな気品が満ちている。

  

雪の社殿

雪の社殿

社殿詳細

社殿詳細

社殿の未来

函館八幡宮では例大祭において2年に一度開かれる大神輿による神事が行われ、函館西部地区で7キロの巡行を終えた大神輿が境内までの134段の石段を豪快に駆け上る神事が行われ、地元の人々や観光客を熱狂させている。また近年は若い人たちの間で神社での婚礼が人気で、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源義経を演じた菅田将暉さんも函館八幡宮で式を挙げたと聞く。次世代に受け継がれる神社建築の美にエールを贈りたい。

境内社の社殿

 社殿