横浜の歴史的建造物の誕生
1920代初頭の日本の建築界は、1919年に辰野金吾、1920年にJ.コンドルが急逝。また、分離派建築会の誕生など旧世代から新世代への交代が象徴された時代であった。
官庁勤めの傍、あらゆる建築コンペに応募、入賞していた渡辺仁(1887-1973)は、1920年、念願の建築工務所を開設。以来新旧さまざまな様式に挑戦していくこととなった。
服部時計店、東京帝室博物館、第一生命館などの建築で知られる渡辺仁だが、その代表作のひとつが1927(昭和2)年開業のホテルニューグランドなのである。
90年以上の歴史を誇るホテルニューグランドは、1992年に横浜市認定歴史的建造物、2007年には経済産業省が選んだ近代化産業遺産の認定を受け、横浜のランドマークとして親しまれている。
横浜の歴史と共に
1927年の開業以来、横浜の歴史を刻みつけてきたクラシックホテル。
ホテルのシンボル本館大階段
ニューグランドブルーの絨毯を踏みしめて登る大階段。イタリア製タイルを使用したクラシックな造り。階段を登ると優美な装飾に囲まれた白いエレベーターと歴史を刻む大時計が配されている。
レインボールーム
かつて舞踏室(Ball Room)として横浜の大人たちが集う社交の場として活躍した。 「横浜市認定歴史的建造物」「近代化産業遺産」に認定されている。
本館廊下
チャーリー・チャップリン、ベーブ・ルースをはじめ、マッカーサー元帥や大佛次郎。昭和初期より様々な著名人が歩いた本館廊下。
光溢れる中庭
廊下の窓より眺めるヨーロッパテイストの中庭。