北海道内、唯一の国指定文化財庭園
函館市見晴町の名勝香雪園園庭は、明治中期の北海道函館市の有数の豪商であった岩船家が、別荘として造成した風景式庭園。
4万坪を超える広大な敷地(約13.3ヘクタール)に、茶室風の園亭や渓流、煉瓦造の温室など多様な意匠からなる庭園空間が広がっている。
1927(昭和2)年に、岩船家の好意で市民に無料で開放されるようになり、1955(昭和30)年に函館市が無償貸借契約を締結、1959(昭和34)年には市が土地を買収。
2001(平成13)年に、文化財保護法に基づく「名勝」の指定を受け、北海道で唯一の国指定文化財庭園となった。
ここでは香雪園内に建つ、書院造風の建物・園亭をご紹介しよう。
杉皮葺きの門
中庭門から園丁へ。竹押さえの杉皮葺き。
しっとりとした苔に囲まれた落ちついた佇まい。
茶室風の園丁
茶室風書院造の園丁。母屋の茅葺の屋根が雪の季節の佇まいを思い起こさせる。茶会が催される時もあり、四季折々の風景の中、茶の湯を楽しむ人々の姿を見かけることも。
園丁内部
明かり窓、欄間、天井など、細部にこだわりのある見事な設い。
中庭
園丁から見えるお庭では新緑、紅葉、雪と四季折々様々な景色を楽しむことができる。
松林の石灯籠や池の雪見灯籠など、点景が立体的に配置されている。