上海中心大厦 / 上海タワー
高層ビルの高さ世界ランキングの上位にはいる建築が軒を連ねている。わけても昨年オープンした、アメリカのゲンスラー社が手がけた美しいデザインの超高層ビル「上海中心大厦(上海タワー)」は、上海の新しいランドマークとして話題になっている。
2008年11月に建設を始め、8年間の工事を経て2016年4月にオープン。高さ632mの128階建のビルである。2017年4月には未公開だった118階の「上海之嶺」観光ホールが公開された。
上海タワーの外観はガラス・カーテンウォールが、螺旋状にねじれながら高くなっていくデザイン。内側に9つの円柱状の建物が垂直に積み重なった2重構造となっている。螺旋状にねじれながら登ってゆくデザインは、登り龍のイメージで、中国の金融機関中心部としての上海の矜持が感じられる。
外側のガラス・カーテンウォールと内側の間には吹き抜けの空間があり、上海市民に開放されている。館内にはホテル、オフィス、ビジネスラウンジ、商業施設、会議場 などが入っている。
世界で最も高い展望台
エレベーターは地下階より秒速18メートル、約55秒で118階に到着。最上部の展望台は、世界で最も高い展望台となっており、四方の眺めを堪能できる。眼下に88階建の「金茂大厦」や、101階建の「上海環球金融中心(森ビル)」を眺めることができ、中国1位、世界第2位の高さを実感できる。
けれど現在世界第2位の高さが、2020年には世界第5位になるという。超高層ビル建設ラッシュなのである。人間の超高層ビル建築への情熱は、一体どこまで伸び続けるのだろうか。
稲葉秀一/INABA建築設計事務所